初夏の光が少しずつ濃くなっていく6月、しし座に流れ込む空気には静かな熱を感じます。どこか内に秘めた意志がふつふつと湧き上がり、それが日々の選択や思考に少しずつ影響を与えていく、そんな時間が続いていくでしょう。何かを大きく打ち出すというよりも、心の内側で確信が深まっていくような感覚。目に見える変化が起こる前に、あなた自身が大切な何かに気づいていく、そんな大切な月となるはずです。
6月1日から5日あたりは、ややゆっくりとした幕開けとなるかもしれません。気持ちは前へ進みたがっているのに、なぜか周囲の空気が鈍く、軽やかに動けないような感覚がつきまといそうです。けれどそれは単なる足止めではなく、自分の立ち位置を確認するための時間だと捉えてみてください。焦って動き出すよりも、今の環境で自分が何を思い、何を大切にしてきたのかを改めて見つめ直すことが、後半の流れをスムーズに整えてくれます。
6日から10日頃になると、少しずつ風向きが変わってくるでしょう。人との交流が増えたり、新たな情報が舞い込んできたりと、内向きだった意識が自然と外へ向かっていきそうです。特にこの時期に心に引っかかった言葉や感情は、今後の指針となっていく可能性があります。しし座にとって「自分がどう感じるか」という視点はとても重要で、他者の評価や状況に流されそうになったときこそ、その芯を確かめる必要があります。心が動いた瞬間を大事にしてみてください。
11日から15日あたりは、意外な出来事が舞い込んでくる兆しがあります。準備していなかった話が急に浮上したり、あるいは過去に置き去りにしたテーマが再び目の前に現れたりするかもしれません。それはあなたの「今の自分」で向き合うためにやってくるもので、過去とは異なる視点や対応が求められるかもしれません。あえて計画外の動きを受け入れることで、思わぬ展開が開かれていくこともありそうです。
中旬を越えた16日から20日ごろには、心身ともに少しだけ疲れが出やすくなるかもしれません。活動的な時間が続いていた人ほど、このあたりで急に立ち止まりたくなるような感覚に包まれることもあるでしょう。それはあなたの中にあるバランス感覚が、少し休むようにと告げているのかもしれません。自分にしかわからない違和感を見逃さずに、必要なときに必要な分だけ手放していくこと。余白の時間を持つことが、むしろ今月の後半をより豊かに彩ってくれます。
21日を過ぎた頃から、いよいよあなたの感性が自然と冴えてきます。日常の何気ない会話や出来事の中にも、これまで見えていなかった新たな可能性が浮かび上がってくるでしょう。特に23日から25日ごろには、「これだ」と思える感覚に導かれて、何かを決める場面が訪れるかもしれません。判断基準を他人に委ねず、自分の手で選び取ること。その意志の強さが、しし座の魅力をさらに引き立ててくれます。誰かに背中を押されるのではなく、あなた自身の足で踏み出すことに意味があります。
そして27日を過ぎたあたりからは、日々の忙しさの中にも、少しずつ静けさや充足感が戻ってくるでしょう。全体の流れとしては活発さがありつつも、6月を通して積み上げてきた時間が、自信となって内側に根を張っているような感覚が芽生えてくるかもしれません。誰かに褒められるためではなく、ただ自分で納得することの大切さを感じる場面が増えていきそうです。
この6月、しし座にとってのキーワードは「内なる炎を整えること」。表現することが得意で、常に誰かに何かを届けようとするあなたですが、この時期はまず、自分の心の声に耳を澄ますことが優先されます。誰に見られていなくても、舞台の幕が下りていても、内側ではしっかりと物語が進んでいます。言葉にならない違和感を無視しないこと。決めつけや惰性に流されないこと。その丁寧な姿勢が、これから先に立つ場所を整えてくれるのです。
たとえ不安があったとしても、迷いがあったとしても、それは何も悪いことではありません。不安があるからこそ、大切なものを選び取る力が宿るのです。しし座のあなたがこの6月で得るものは、目に見える成果ではなく、自分自身とより深くつながるというかけがえのない感覚かもしれません。
まっすぐ進むことだけが正解ではないと知ったとき、あなたの中に優しさがひとつ芽吹きます。その優しさこそが、次に誰かを照らすあたたかな光になるでしょう。今はまだ、それがどんなかたちをしているのかはわからなくても、あなたらしく静かに進んでいってください。それだけで、十分な意味がありますから。