5月のおひつじ座には、やわらかな風が吹き込むような時間が流れていきます。これまで心の奥で静かに温めていた思いや、小さな希望が外に出てきやすくなります。日常の中に光が差し込むような、けれども決して派手ではなく、そっとあなたの肩に触れてくるような運気です。焦って何かを成し遂げようとするよりも、むしろ流れに身を任せた方が、うまくいく場面が増えていきそうです。
特に5月前半、1日から10日頃までは、思いがけない形で人と心が通い合うような瞬間がありそうです。言葉にしきれなかったことが自然と伝わっていたり、何気ないやり取りの中に大切な意味が含まれていたり。相手に合わせようと意識しすぎるよりも、あなた自身が感じていること、思っていることを素直に表現してみると、そこから大事なつながりが生まれてくるでしょう。特別な会話でなくても、たとえば同じ景色を見て心が揺れた、といった小さな共鳴が、静かにあなたの心を支えてくれるはずです。
また中旬に入ると、あなたの中にあった迷いや引っかかりが、少しずつほぐれていく流れが見えてきます。特に14日あたりから下旬にかけては、「あれでよかったのかもしれない」と思えるような、過去の出来事との和解が進みそうです。未来を急いで切り開く必要はなく、「いまこの瞬間に心を置く」ことが大切になっていきます。今月は何かを足したり変えたりするというより、「もうすでにあるもの」の意味が変わって見えてくる、そんな不思議な時間です。
その中でほんの少しだけ注意しておきたいのは、身体の声を聞き逃さないこと。特に21日から25日あたりにかけては、急に疲れが出たり、気持ちと体のバランスがずれてしまいやすくなります。体調が気になる場合は、無理をせずに早めに調整を。自分に優しくすることを後回しにしないでください。むしろ「人に優しくする」よりも先に、自分自身を守ることが今月は結果的に周囲にも良い影響を与えるでしょう。
そしてもうひとつ今月のおひつじ座にとって特徴的なのは、「物事を途中で止める力」です。始めることが得意なおひつじ座ですが、5月は「立ち止まる」ことにも運気の流れがあります。何かに没頭しすぎて見えなくなっていたものに気づいたり、「これは違ったかもしれない」と感じることがあるかもしれません。でもそれは、あなたが一段階深いところに意識を向けられるようになってきた証。ひとつの方向に突き進むだけでは得られなかった視点を、今だからこそ持つことができるのです。
またこの時期は自分を責めるような思考には引き込まれないでください。「あの時こうしておけばよかった」と思っても、それは今のあなたが持つ新しい目線から見ている結果です。過去のあなたには、その時点での最善があったはず。5月は過去と現在の自分がゆるやかに手を取り合うようなイメージで過ごしてみると、心が静かに整っていきます。
特に5月28日頃には、あなた自身が心の奥で望んでいた方向に向かって、ひとつの決意を固めるような出来事があるかもしれません。それはまだ他人には見えない、小さな芽のようなものかもしれませんが、それでも確かに「動き出している」感覚が伴います。もしその頃にふとアイディアが浮かんだり、「これをやってみたい」と感じたなら、その思いをノートに書き留めておくと良いでしょう。すぐに動かなくても、時が満ちたときにその記録が、あなただけの羅針盤になってくれるはずです。
恋愛においては、今月は大きなドラマよりも、静かで心地よい気配が育ちます。関係性に名前をつけようとするよりも、「一緒にいて自然かどうか」を大切に。恋をしている人も、まだ気持ちが定まっていない人も、「関わることそのもの」を楽しんでみてください。肩書きや形式よりも、そこにいる時間のやわらかさが、何よりも信頼を育ててくれます。
5月は「わかりやすい成功」や「目に見える成果」よりも、「じわりと沁みてくるような変化」に運が宿るときです。大きな動きがなくとも、あなたの内側では確かに何かが変わっていっています。ひとつひとつの出来事が、まるで手紙のように、あなたに大切なことを静かに伝えてきます。そのメッセージを受け取るためには、日常の中にある「余白」に気づくことが大切です。たとえば夜の空気の温度、ふと耳に入る音楽の歌詞、誰かの何気ないひとこと。そうしたものの中に、今のあなたに必要なヒントが隠れているかもしれません。
最後にこの5月のおひつじ座には、「急がなくても、すでに道の上にいる」というメッセージが降りてきています。結果を急ぐ必要はありません。流れはちゃんと、あなたを必要な場所へと導いています。今は風の音を聞きながら、肩の力をふと抜いてみること。その余白の中にこそ、あなたらしさが立ち上がってくるのです。
